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670話

「会長!私の周りには無数の高級生化人たちがいます!彼らが勝手に我々の領域に踏み入ってきましたが、彼らを殺してもよろしいでしょうか!」

モハメド・カトゥは少し躊躇した後、威厳を持って言い放った。

会長はその場で固まってしまった。王と教皇の争いを引き起こした人物がモハメド・カトゥだとは思いもよらなかったのだ。

「よ…よろしい!」会長は震える声で答えた。

周囲で見物していた高級生化人たちは一斉に瞳孔を縮め、各々が単独で戦うことを覚悟し、互いに近づこうとはしなかった。なぜなら王と教皇の争いが、今まさに始まろうとしていたからだ。

空高くから二人の王が雲の間から姿を現した。そのうちの一人、真っ...