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53話

南江市の沈惜颜の家で、林浩と沈惜颜が部屋に入ると、リビングにぼんやりと一人で座っている王淑芬の姿が見えた。二ヶ月ぶりに王淑芬を見ると、髪はとかされておらず、白髪も随分と増え、目の周りには隈ができ、顔色は蝋のように黄ばみ、すっかり痩せ衰えていた。

王淑芬は林浩と沈惜颜が帰ってきたのを見て、驚きのあまり口を大きく開けた。「惜颜、あなたと林浩が?」

沈惜颜はこれほどまでに憔悴した王淑芬を見て、胸が痛んだ。王淑芬がとげとげしく意地悪だったとはいえ、結局は二十年以上も一緒に暮らしてきた。多少なりとも情があった。そして、この半年ほどの間に、王淑芬がこんな状態になるまで、十分に苦しんできたのだろう。

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