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405話

心境万古不波の蒼は、この瞬間、ついに心を動かされた。彼は最後の瞬間に大部分の力を抑えたが、あまりにも強すぎたため、わずかな力でさえ幽紫妃には耐え難いものだった。

「価値があったか?」蒼は呆然と幽紫妃を見つめ、彼女の額に触れていた指を引いた。

幽紫妃は悲しげに微笑み、「師匠、ごめんなさい」と言った。

「はぁ」蒼は深くため息をつき、次の瞬間、懐から清々しい香りを放つ緑色の丸薬を取り出し、幽紫妃の口に入れた。「お前が九幽の体でなければ、さっきの一撃で先天宗師であっても死んでいただろう」

幽紫妃はその薬を飲み込むと、体内の生気が急激に増し、顔色も青白さから血色の良いものへと変わった。彼女は蒼が...