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373話

次の瞬間、白蝎は銀狼の車の前へと歩み寄り、銀狼に手を振って車から降りるよう合図した。銀狼の車の前にいた部下が振り返り、銀狼に尋ねた。「ボス、副首領の白蝎様です。どうしましょうか?」

銀狼は何も言わず、車外の白蝎を見つめ、軽く頷いた。それから沈雨桐へと向き直り、厳しい口調で言った。「沈さん、ご心配なく。あれは我々の仲間です。あなたはそのまま車にお残りください。安心してください。林さんからお金をいただいた以上、約束は必ず守ります。ただ、これから少し面倒なことになるかもしれません。しばらくお待ちいただけますか」

沈雨桐は目を開いて銀狼を一瞥した。その目は冷たく、何も言わずにただ静かに銀狼をじっと...