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371話

時間が一分一秒と過ぎていく中、林浩は沈雨桐が誘拐された監視カメラの映像を入手した。すべて道路上の防犯カメラが捉えたものだ。林浩は一秒一秒丁寧に映像を見ていたが、ある瞬間、突然再生を一時停止した。彼の視線は覆面をした誘拐犯の手の甲に止まっていた。犯人が沈雨桐を押し込む際、手袋が少しずれ、黒い蠍のタトゥーの一部が露出していたのだ。

「拡大して!」林浩は監視映像を再生していた警察官に命じた。白人警官は足を震わせながら、急いで映像を拡大した。

次の瞬間、林浩はそれが間違いなく蠍であると確信した。彼は目を細めた。彼の後ろに立っていた林冷がそのタトゥーを見て眉を深く寄せ、何かを思い出そうとしていた。

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