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363話

「プッ、プッ」という刃物が肉に突き刺さる音がほぼ同時に響き渡った。林衍と林嘯雲はお互いの体に一太刀ずつ浴びせたが、林衍の体は再び林嘯雲の一蹴りで吹き飛ばされた。

「ドン」という轟音と共に、林衍は五メートル先に叩きつけられた。全身が完全に血まみれとなり、あらゆる箇所から鮮血が流れ出ている。その息遣いは極限まで弱々しくなっていた。

一方の林嘯雲は一歩も退かず、ただ重々しく唸り声を上げただけだった。彼は長剣に付いた血を払い、身に纏う気勢をさらに高めていく。今や彼も重傷を負い、林衍に二太刀も食らっていたが、その傷の程度は林衍と比べれば明らかに軽いものだった。

今、林嘯雲は剣を握りしめながら林衍へ...