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1296話

「ありがとう、みんなありがとう。」林浩は笑いながら言った。「実は僕も数日前に知ったばかりなんだ。この子が九年間も手紙を送り続けてくれて、コンサートのチケットまで。あの頃の小さな子が、今じゃこんなに凄くなるなんて思いもしなかったよ。」

「嘘ついてるでしょ?誤解されるのが怖かっただけじゃない?」楠歌は不満げに言った。

林浩は肩をすくめて困ったように言った。「いや、それは本当だよ。信じないなら林恩たちに聞いてみればいい。僕は十年間姿を消していて、誰も連絡が取れなかった。今でも老君たちは僕が戻ってきたことを知らないんだ。知ってるのはたった三、四人だけさ。」

「わぁ、本当なの?その三、四人の中に私...