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1170話

青衫は去り、敖風も躊躇うことなく金陵へと向かい続けた。

青衫に対しても動じることはない。せいぜい一つの分身を失うだけだ。本尊は必ず直接降臨するのだから。

本尊が青衫と対峙しても全く焦りはない。敖風には感じ取れる。青衫はただの八等巅峰の神祇に過ぎず、九等まであと一歩とはいえ、自分も同じく八等巅峰の存在だ。真に戦えば、互いに手も足も出ない状況になるだろう。

もし月輪仙子が降臨すれば、すべての均衡は崩れる。

あの噬魂師の主が完成すれば、同じく八等中期に匹敵する強大な存在となる。月輪仙子に至っては既に九境初期という恐るべき存在だ。

そのとき、青衫一人でどうやって林浩を守り切れるというのか!

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