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989話

陳琳は帰る前に、まだ自ら頬を叩き続ける将棋盤兄を無視したままだった。

将棋盤兄は彼女が去ったからといって、自分の頬を叩くのを止めなかった。

勝手に止めたら、どこかの足が折られるのではないかと恐れていたのだ。

陳琳が言った通り、沈岳は今や一流の人物になっており、将棋盤兄のような小物と争うことはないだろう。

問題は、沈岳の配下には将棋盤兄と争いたがる者が少なくないということだった。

歯まで一本飛び出した将棋盤兄を見て、何の興味も示さない沈岳は手を振り、阿呆のような二人の子分に言った。「早く、こいつを追い出せ。道を汚しやがって、清掃のおばさんの苦労を少しも大事にしないやつだ」

二人の子分...