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937話

老大家の目には、宋旌旗は群を抜く存在だった。

その優秀さは、彼女が産んだ二人の実の息子よりもさらに上を行くほどだった。

これは老大家が、沈家の遺伝子が自分の実家より劣ると感じているわけではない。

主に北省の宋家が没落し、宋旌旗が幼くして両親を亡くし、この世に血の繋がった親戚は彼女という叔母一人しかなく、全力で庇護する必要があるからだ……そう感じるのも、ごく自然なことだった。

老大家は甥を国に呼び戻し、沈家の外部核心として育てたいと長年考えていた。

しかし様々な考え方の違いから、宋旌旗は西洋が祖国よりあらゆる面で優れていて、発展の余地も大きいと感じ、帰国を頑なに拒んでいた。

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