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924話

九鼎安保会社は、十年前からすでに青山で最も名の知れた警備会社の一つだった。

会社の社長である孟連海は、人に会うたびにベトナム戦争に参加したことを自慢していた。

老孟が実際に戦場に行ったかどうかは、誰も確かめられない。

しかし警備業界で生きている者なら誰でも知っている。京華チャンピオン警備が青山に強引に進出してきてから、すべての警備会社の日々が厳しくなったことを。かつては「今後五年以内に九鼎安保を国内トップクラスの会社に育て上げる」と豪語していた老孟も、今では財布の紐を締め、次々と人員を削減せざるを得なくなっていた。

会社の前途が暗いとき、新規事業を展開できず、会社を存続させるための...