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920話

「沈岳にはまだ良心があるようだ。」

時には……

彼はすでに葉太を操り人形として利用し、おまけに私のお嬢様のお腹には彼の子種まで宿している。もしここで泰山家をさらに痛めつけるようなことをすれば、それこそ良心のかけらもない行為で、天下の笑い者になってしまうだろう。

だから彼は葉家を見逃すはずだ。

お嬢様もそのつもりだ。やり過ぎは禁物、そうしてこそ後々も顔を合わせられるというものではないか。

お嬢様に諭された牛猛は、私の岳兄貴に仕えるようになってから知能指数がぐんぐん上昇していたので、すぐに要点を理解し、まさに諸々の来賓を東城大ホテルへと案内しようとした矢先、葉臨門が彼の言葉を遮った。

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