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86話

老銭は人並外れた粘り強さだけでなく、口も達者だった。

そうでなければ、時間を何より大切にする沈岳も、あのラーメン店で彼と一日中話し合ったりはしなかっただろう。

二人が昨夜別れた後、老銭は徹夜で開発計画書を作成した。十数ページにも及ぶその計画書を一条ずつ沈岳に説明し、彼らのビジネスがいかに将来性のあるものか、ただ地道に努力さえすれば成功することを理解させようとした。

さらには生ビールを半杯一気に飲み干すと、痩せこけた胸を叩きながら、豪気に宣言した。最大でも三年で、沈社長を世界の富豪クラブの仲間入りさせてみせると。

明らかに老銭は大げさなことを言っていた。

しかし沈岳はそれを聞...