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682話

その枯れ枝は、宋中が立ち去る前に差し込んでいったものだった。

星空の下、雪原の上で、それはまるで一本の旗竿のように際立って見えた。

蘇南音は陳琳のことを急いで構おうとはせず、少し躊躇った後、ゆっくりとその枯れ枝の前まで歩み寄った。

近づいてみると、そこに一行の文字があることに気づいた。

満天の星明かりと火の光に照らされながら、しゃがみ込んだ蘇南音は、一語一語区切って読み上げた。「沈岳の人が、氷の下に」

蘇南音はまるでその言葉の意味を理解していないかのように、何度も繰り返し読んだ。声色は静かだった。

だが四度目に読んだとき、蘇南音の心臓がドクンと激しく鳴り、全身の血液が一気に頭へと駆...