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672話

庄純が京大で妻探しをしている時、沈岳は燕子が運転する車に乗り、葉家に向かっていた。

今朝、葉修羅から葉家に来るよう通知された時、最低限の礼儀として、沈岳は手土産に何を買うべきか尋ねた。

葉修羅は必要ないと言った。

お金がなかった頃、沈岳はこの言葉を聞くのが一番好きだった。

しかし今や彼はお金を持っている。初めて葉家を訪問するのに手ぶらでは、あまりにも失礼ではないか?

たとえ葉家が本当に贈り物を辞退するとしても、果物くらい買っていくのが筋というものだ。

もちろん沈岳は果物だけでなく、葉家が断れない素晴らしいものも用意していた……

30分後、車はゆっくりと路地の入り口に停まった。

沈岳が外を見...