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670話

屠夫ルーの本名はルートゥフー。父親がつけた名前で、本来は良い意味だった。

しかし、この子は不肖にも、幼い頃から体格の良さを武器に、京大周辺で喧嘩を売り、威張り散らしていた。それでいて少しばかりの小賢しさがあり、大きな過ちは犯さないものの、学生をいじめるなどの悪事には手慣れたものだった。

つまり彼は、何度も警察のお世話になっている厄介者で、京大周辺では大小問わず有名人だった。特に学生たちの間では、決して関わってはいけない存在とされていた。

屠夫ルーが来たのを見て、司晨たちは事態が悪化すると感じた。

もし彼らだけなら、安晴に悪さをするつもりなら、学校の警備室に電話して解決できるだろう。し...