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652話

云渺の名前を聞くだけで、柳洛阳は歯ぎしりするほど憎らしく感じていた。

あの長城で云渺に出会った時、彼女の清純で穏やかな雰囲気に一瞬で心を奪われ、葉臨風たちがいなければ、間違いなくその場で彼女を連れ去っていただろう。

名門大学は一般人にとっては高嶺の花かもしれないが、柳洛阳のような超エリート公子にとっては、大したことではなかった。

遠い話はさておき、ここ三年だけを見ても、柳少爺の手によって純潔を奪われた名門大学生は、二十人近くにも及ぶ。

だが、それらの女の子はほとんどが芸術系の学生で、云渺のような市内トップの成績を収めた優等生となると、格が違って見えた。

古い言い方をすれば、...