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635話

どの少女も、女性になる前に、白馬の王子様に関する夢を見るものだ。

その白馬に乗っているのが王子様なのか、それとも三蔵法師なのかは、その人の運命次第だ。

謝安晴もそんな夢を見たことがある。

残念なことに、彼女が処女の体を捧げようと決心し、風呂で体を清めた後に待っていた男は、王子どころか三蔵法師にも及ばない、せいぜい細い目をした普通の男に過ぎなかった。

正直言って、小春次郎の容姿は悪くなかった。ただ目が小さく、安晴を見る視線は、まるでハイエナが獲物を狙うような、彼女に思い出させるだけで動悸がするような淫らさを漂わせていた。

その視線は今夜、彼がさまざまな方法で彼女を弄ぶだろうと告げている...