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622話

宝石を愛する女性が、三つの補天石を手に入れた後、午前二時半までに眠りにつければ、天に勝ったも同然だ。

明明姉さんは元セレブ妻として、見識も広く、結婚時に贈られた数カラットのダイヤの指輪は今も靴箱の中で静かに横たわり、かつての栄光を回想しているというのに。

ダイヤの指輪なんて、一度宝飾店が必死に吹聴する意味を失えば、その本来の価値は空き缶にも劣るかもしれない。

結局、リサイクル価値すらないのだから。

本当にリサイクルできるなら、くそっ、宝飾店がどうやってこんな人騙しの代物を売りつけられるというのか。

でも補天石は違う。

ダイヤより美しい外見はさておき、何より希少性と他では代替できない...