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619話

中医の不思議なところは、ダイヤモンドのような無用なものを除き、この世の万物がすべて病を治す可能性を秘めていることだ。

たとえば潔癖症の人が思い出しただけで胃の不快感を覚えるフンコロガシでさえ、てんかんや驚風などに効能があるとされている。

そうであれば、中華に幾千年も伝わる補天石にも、人知れぬ何らかの薬効があるのかもしれない。

ただしこの石はあまりにも貴重で、数百年前から一つの補天石が天価で取引されていた。誰がそれを砕いて薬効を研究する勇気があっただろうか。

同様に、はるか古代の人々は宝石という概念すらなく、偶然この種の物を発見した場合、その薬効を研究した後、『黄帝外経』という医書に記録...