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618話

振華集団は数ヶ月の変遷を経て、今やようやく再び展姓となった。

かつての展総——いや、展秘書が以前から高く評価していた業界のエリートで、葉修羅時代にはすでに警備部副部長兼警備隊長に抜擢されていた王有盛——通称王部長は、今夜も夜勤を引き受け、夜9時を過ぎてもまだ会社を離れない社長に、水も漏らさぬ厳重な警備を提供する責務を負っていた。

王部長の許可なしでは、人間はおろか、一匹の蚊でさえこの建物に侵入することはできない。

もっとも、この季節には蚊などいないのだが。

背後のホールから「チリン」という小さな音が微かに聞こえた時、両手を背中で組み、階段に立って威厳に満ちた姿勢をとっていた王部長は、傲...