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612話

「どうぞ」

気分は最悪だったが、ノックの音を聞いて、唐局長は顔を上げ、威厳に満ちた表情で入口を見た。

ざわり、と会議に出席していた大小の幹部たちも、一斉にそちらを向いた。

ドアが開き、清楚な小さな顔が現れた。

この美人は誰だろう？見たことがないぞ。

多くの人がそう思っていると、外回りで投資誘致を担当している黄玉蘭主任が軽く咳払いをし、この見慣れぬ美人が自分の新しい部下であることを示した。

これは私の娘だ。

唐局長は心の中でそう思いながら、表情に微笑みを浮かべつつも、淡々とした口調で尋ねた。「君は何か用かな？」

『君』だって？

ふん、この唐のおやじ、北郊でやっ...