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53話

沈岳は単に牛猛が悪事に加担し、良家の婦女を虐げることが嫌いだったので、一度懲らしめるだけで済ませるつもりだった。

だが、彼が密かに銃を所持していたとは予想していなかった。

これは彼の底線を踏み越えた。

ただでさえ牛猛たちが横暴に振る舞って善良な市民を恐れさせているのに、さらに銃まで隠し持っているなんて、これじゃあ善人は生きていけないじゃないか。

幸い沈岳には不思議な能力があったからよかったものの、もしそれがなければ、確実に頭を撃ち抜かれ、林少に適当な場所に埋められた後、謝柔情は無理やり彼の花嫁にされていただろう。

牛猛の射撃の腕は確かだった。こんな至近距離なら百発百中で沈岳...