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499話

「雲渺が俺に惚れていることは、ずっと前から分かってた。」

だが沈岳は特に気にしていなかった。

彼からすれば、雲渺が彼に恋したのは、あの夜、彼女を救った時の颯爽とした、群を抜く英雄的な姿に女心が動かされただけのことだった。

美女が英雄に惚れるのは、古くさいベタな展開だが、至って普通のことでもある。

特に雲渺を救った翌日、沈岳が再び英雄を演じ、龍兄たちを秋風が落ち葉を払うように一掃した後、感情の高ぶりのまま、彼女を利用して展小白を刺激したことも影響している。

つまり、雲渺が俺の岳兄に恋するのは、当然のことだった。

沈岳が気にしなかったのは、彼には好きな女の子がいたし、雲渺の恋心も未熟だ...