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489話

おそらく七星の美女が訪れたことが理由で、泉城広場近くのこの焼き肉店は、ますます繁盛するようになった。

冬の訪れとともに、他の焼き肉店が夜の十時半頃には閉店する中、ここではまだ数テーブルの客が食事を楽しんでいた。

かつて牛猛たちが七星の美女を傷つけるのではないかと心配していた店主は、夏の頃より随分太り、焼き肉の腕前もさらに磨きがかかっていた。小さな鼻歌を口ずさみながら、羊の脂が滴る肉串にクミンパウダーを振りかけると、シュッシュッと軽い煙が立ち上る。

しかし店内の壁はあいかわらず黒ずみ、小さなテーブルは油でべたついて座る気にもならないほどだった。

蘇南音が再びこの店を訪れた唯一の理由は、き...