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436話

青山は沈岳の故郷だった。

十八歳で兵隊として青山を離れた五、六年の間、彼は陳明夫妻を思い出す以外、ほとんど故郷を懐かしく思うことはなかった。

去年青山に戻り、一年半ほど暮らした後、彼は情の逃げ場を求めて再び去った。以前のように、特に気に入った女と遊び回っているうちに、いつの間にか五、六年が過ぎてしまうだろうと思っていた。

確かに沈岳は今回の外出で、気に入った女性と出会った。それも一人ではない。

雲霞はさておき、別れる前まで将校の制服を着て彼の好きなように触らせてくれた黎小草だけでも、どんな男でも未練を感じるはずだ。

だが実際はどうだったか?

外で五、六年も遊び歩くどころか、たった一...