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400話

西西が連れてきた博士が言っていたことによると、桃の木には邪気を払う効果があるとのこと。

その「邪気を払う」というのは、単に桃の木の下に立っていれば全ての邪悪な存在が避けていくというだけではなく、邪気が現れると桃の花が枯れて人々に警告し、早く逃げるよう知らせる作用も含まれているという。

今、川辺に咲いている桃の花が枯れ始めた。これは邪気の出現を証明しているので、ここにいる皆さんはさっさと立ち去ったほうがいいだろう。

残念ながら、下にいる全ての人の注意は石の門の向こうに集中していて、誰も桃の花が急速に枯れていることに気づいていなかった。

沈岳はそれを見た。

彼の最初の反応は振り返って逃げ...