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377話

黎小草が心を込めて尽くしていたにもかかわらず、沈岳は彼女を本気で相手にしていなかった。

特に「政略結婚」という言葉を思い出すたび、彼は自分が哀れな犠牲者であり、国益のためにこんなオバサンまで娶らなければならないことに、ますます苛立ちを覚えた。

それなのに、黎小草は女の従順さと涙で沈岳を手懐けられると思い込んでいた。

沈岳はそれが非常に気持ち悪かったが、逃げ出すという考えを諦め、窓辺で一息つくしかなかった。

黎小草の嗚咽がまだ聞こえてきた。

泣け、泣け、くそ、泣くことしか知らないのか!

お前はなぜ考えないんだ、俺はこんなに若いのに、お前と娘に逆推しされて、どれだけ悔しいと思ってるか?...