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362話

黎小草は呆然とした。

彼女は知っていた。庄純が恐ろしい存在だということを。黎雄が築き上げた鉄壁をすり抜け、まるで幽霊のように彼女の寝室に現れる能力を持っていた。

さっきも彼女は目の当たりにした。中華の伝説にある龍騰十月でさえ、庄純と戦う際には慎重にならざるを得なかったことを。

さらに重要なのは、庄純の血液型が、もしかしたら夫と同じかもしれないということ。

これらの理由があったからこそ、黎小草は庄純に「体を洗う係」になれと言われた時、黎元明の反対を押し切って、すぐに協力の意を示したのだ。

黎小草は、自分の身分と地位をもってしても、ここまで低姿勢になれば、庄純の好感を得るには十分だろうと思っていた...