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353話

陸天秀は普段、黎小草のことを「お母さん」と呼んでいた。

しかし今、陸天秀は彼女をフルネームで呼んでいる。

これは無礼なのではなく、南越のこの地方の風習なのだ。

前にも述べたように、南越は野心の割に小国だった歴史的背景から、男子が極端に不足していた。人口増加を促進するため、歴代の当局は女性の結婚年齢を最低限まで引き下げていたのだ。

十六歳で母親になることは、この地域では一般的なことだった。

三十代の女性もまだ再婚して子供を産むことができ、夫が死んだ後は再婚して国家の人口増加に貢献する義務があった。

この特殊な国情により、時には母娘が同じ男性に嫁ぐという奇妙な事態も生じてい...