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352話

荆紅命が下りてくるのを見て、客間のソファに座っていた黎元明は急いで立ち上がった。

「電話は?」

階段を降りてきた荆紅命は、直接言った。「貴軍の暗号化通信チャンネルが必要だ」

陸称雄が一軍を率い、華夏と接する西部国境に陣を構えているのだから、専用の暗号化通信回線を持っているのは当然のことだった。

黎元明はすぐに足早に壁際へ向かい、電話機を持ってきて、小声で数字を告げた。

荆紅命は番号をダイヤルし、暗号も使わず、ただRh陰性血液を少なくとも1000ミリリットル、24時間以内に必要だと直接伝えた。

電話を終えると、荆紅命は黎部長に付き添いを頼み、外へ出た。

彼は黎部長を通行証のように扱い、陸家軍の管...