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348話

暖房のない南越でなければ、瀕死の沈岳が揺さぶられても、荊紅命には少なくとも十八種類以上の方法があって、彼の体温を下げないようにできただろう。

だが今は、黎小草の提案に同意する以外に、他の方法はなかった。

もちろん、沈岳がどうしても誰かに抱きしめられる必要があるとしても、陸家の母娘が揃って上がり込む必要はなかった。

小草がお金を出せば、体温で沈岳の命をつなぎとめたいと願う女の子たちは、陸家の別荘から国境まで列をなすだろう。

しかし、なぜ彼女たちは他人を頼む必要があるだろうか?

荊紅命が南越のある風習について知る限り、陸家の母娘がこのようなことをした後は、彼女たちは一生沈岳の人になるしか...