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332話

現代通信技術の先進性は、素人を唖然とさせるほどだ。

地下数十メートルの秘密基地内、地表はまだ深山の中だというのに、ロン博士はただ一台のノートパソコンだけで、何千キロも離れた相手と繋がっていた。

しかもビデオ通話までできるのだ。

ロン博士とビデオ通話しているのは、金髪で雪のように白い肌を持つ女性だった。

ただ何らかの配慮からか、白いバスローブを着た女性は同じ色のフェルト帽を被り、帽子の縁から黒いベールを垂らして顔を隠していた。

ベール越しに、通話画面の死角に立っているキズアトは、雪肌の女性の顔の輪郭しか見ることができなかった。

美女であることは間違いなかった。

普段は...