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311話

淡いブルーのカーテン越しに差し込む陽の光がベッドに降り注ぐと、展小白は目を開けた。

まずは天井をじっと見つめ、いつものように「私は誰で、どこにいて、何をしているのか」と考えた後で、ようやく彼女はだるそうに起き上がり、手元の携帯を取って時間を確認した。

朝の七時半。

いつもならこの時間、すでに会社の入り口に到着しているはずだった。

なのに今は目覚めたばかり。

展小白が寝坊を好むわけではない。ただ動機がなくなっただけだ。

振華グループはまだその名で呼ばれているものの、株式の大半はすでに京華の葉家のものとなっていた。

葉臨空はすでに死んで、それも数日が経っているが、葉家か...