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310話

「人は違う立場に座れば、視野と視座も異なるものだ。

手にする権力が大きいほど、行動には慎重さと安定性が求められる。

明の時代、ある皇帝が宦官の唆しに乗り、親征すれば数十万のオイラト軍は灰燼に帰すと自負したが、結果は「土木の変」という惨事を生み、後世の人々に惜しまれ、非難されることとなった。

それは前車の轍だ。

白髪の老人は青霊山からの最新情報を聞いた後、百万の軍を率いてあの跳梁小丑どもに教訓を与えたい気持ちに駆られなかったわけではない。

だが、戦争という機械は、起動させようと思ったらすぐ動き出すものではない。

あらゆる面を考慮しなければならず、一歩間違えれば深刻な結果を招き、国家の...