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265話

沈岳は目を見開いた思いだった。

これまで自分は見聞広い人間だと自負していた。アフリカの最古の部族にさえ、二度も足を運んだことがあるのだから。

今となっては、まるで井の中の蛙だったと思い知らされた。

青霊県には善人もいなければ、宿もない。

誰が宿を開こうものなら、県民の財路を断つことになり、敵とみなされるのだ。

特に青霊県にはとても独特な風習があった。結婚という概念がないのだ。

青霊の人々の子孫繁栄の方法は、大理の跳月や蒙古の風習に近い。娘たちが街で気に入った男性を見つけると、家に連れ帰り、一晩の情事の後、密かに身籠り、十ヶ月後に子どもを産む。

子どもの父親が誰なのか...