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196話

沈岳は眠っていた。

とても心地よく眠り、隣に香り高い美女が横たわっていることなど全く気にしていなかった。彼がその気になりさえすれば、何の労力も要らず、ただ手招きするだけで、陳琳はありとあらゆる技を駆使して、彼に帝王のような悦びを味わわせるだろう。

彼のそばに正座し、すでに足を優しくもんでいた陳琳の、彼を見つめる眼差しには、好奇心が溢れていた。

彼女のような風月の場で鍛え上げられた目で、なぜこの男を見抜けないのだろう?

林子明に気に入られ、必ず手に入れると誓われる女性なら、きっと街中でよく見かける「インターネットアイドル」のような存在ではない。眉を描き、目を化粧し、うぬぼれた様子で、実は男た...