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167話

触手は柔らかく、弾力があった。

「くそっ、また失敗した。この一蹴りは無駄だったな」

沈岳は一瞬固まり、心の中で悲鳴を上げた。

さらに後悔が襲ってきた。

彼は意図的に蘇南音を「怒らせ」て、自ら罪を受け、以前彼女に冒した罪を償おうとしたのだ。小さな願いも叶えられたのに、どうして本当に怒らせてしまったのだろう?

あの場所は、適当に押していいものだろうか?

親友の体に、勝手に触れていいものか!

幸い蘇南音は彼の右足を抱えていたから、彼に押されて地面に倒れることはなかった。

しかし、暴力的に侵されたような感覚が、彼女に明確に告げていた。親友は顔を変えて知らん顔をする傾向があるようだと。

蘇南音は一瞬呆然...