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165話

「沈岳、また会えたわね」

パソコン作業をしているふりをしていた蘇南音は、沈岳が入ってくるのを見るなり、ブルーライトカットのメガネを外し、顔を上げて彼に微笑みかけた。

「ああ、また会えたね。おととい来たばかりなのに、なぜか三年ぶりのような気がするよ」

沈岳はデスクの向こう側にいる女性を見つめながら、感慨深げにソファに腰を下ろし、習慣的に足を組んで林陽に言った。「林陽、この前飲んだ大紅袍をもう一杯淹れてくれ」

外では蘇総を必ず助けると熱心に説得していた林陽だったが、その言葉を聞いて一瞬固まり、冷たい声で言った。「前回あなたが来た時、茶葉の缶まで持ち帰ったでしょう。今どこにあるっていうの?」...