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156話

人は皆、夢を見る。

様々な夢、美しい夢もあれば悪夢もある。

沈岳もそうだった。これまで何度となく良い夢も悪夢も見てきたが、今のように夢から驚いて飛び起きることは一度もなかった。

彼がむくりと起き上がると、夢の中の光景はすべて霧散してしまった。

残っているのは、一面の翠緑の山々、鳥のさえずり、西の空に広がる夕焼け、そして心地よい風だけ。彼はここで半日ほど眠り、それほど恐ろしくもない夢を見たはずだった。

それほど怖くはなかったのに、それでも彼は驚いて目を覚ました。それは、夢の中で展小白の瞳に映る帝王の顔を見たからだ。

展小白の瞳に映っていた帝王の顔が、まさしく沈岳自身だった...