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146話

方刚のような粗末な輩の処理に、沈岳は本気で気が乗らなかった。

牛猛よりもずっと格下だと感じた。

あの日、牛猛は五四式拳銃まで取り出す胆力を見せたじゃないか。あれこそスリリングで、血が沸き立つような、征服欲を満たす相手だった。

それに比べて方刚はといえば、確かに凶悪な面構えをしているが、結局取り出したのはただの短刀。あまりにもつまらなくて、沈岳はまともに見る気にもならず、振り返って牛猛を罵った。「くそっ、こいつが昔のお前の親分だって?犬のように使える程度の青山の元ボスか?」

六、七年前から、方刚は青山の裏社会で顔が利く人物だった。ただ後に大きな事件を起こして逃亡し、その凶悪な名声は若い世...