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1166話

西風、残月、飞来峰の上にある飞来観、美しき小さな女道士。

絶景である。

普通の男なら、立ち去りたくないだろう。

沈岳も立ち去りたくなかったが、それも叶わない。

彼の周りには既に十分な美女がおり、新たな人物と知り合いになる気など毛頭なかった。

彼は蘇南音にも言ったことがある、自分より数歳年上の女性が好みだと。

それに、彼が信じようと信じまいと、荊蝉の身分は畏れるべきものだった。

仙長は、冒涜してはならないのだ。

だが荊蝉はどうだろう?

一つには彼女は極めて神道に忠実な出家人であり、二つには沈社長は新たな美女に絡まれるのを本当に好まず、三つには彼女は彼より数歳年...