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1164話

須林は今、上官弯弯をさっさと追い払って、荊蝉道長を探しに行きたいと思っていた。

行きたいのに行けない……

須林はオフィス内をせわしなく歩き回り、時折腕時計を見ていたとき、突然火災警報が鳴り響いた。

火事?

須林は大いに驚き、ドアへ走り出そうとしたが、まだバスルームにいる女の子のことを思い出した。

慌てて振り返ると、ちょうど上官弯弯がドアを開けて出てくるところだった。

上官弯弯はシャワーを浴びて酔いがだいぶ醒め、一時的にクラブの女性スタッフの制服に着替えていた。小さな顔は赤らんでおり、何とも言えない色気が漂っていた。

以前なら、須林はきっと一瞬我を忘れたことだろう。

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