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1158話

幸福。

失望。

この二つの感情が絡み合い、蘇南音を包み込んだとき、彼女はどんな気持ちになるのだろう?

狂いそうなのに、手放せない。

彼女が幸福なのは、もちろん沈岳が彼女のそばに来てくれたからだ。

夕日がまさに沈もうとしている。

沈岳は二階のテラスの籐椅子に半ば横たわるように座り、毛布を被り、黒いアイマスクをつけ、両足をテーブルの上に投げ出し、頭を傾げ、口を半開きにして、よだれが口角からつたい落ちるのを許していた……

彼はとても気持ちよさそうに眠っていた。

それは彼の手が蘇南音に抱かれて温められていることと関係があるのかもしれない。

飛来峰から戻ってきた後、蘇...