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1154話

沈岳の考えでは、飛来観が多くの参拝客の支持を得ているなら、少しのお賽銭を受け取るのも当然のことだった。

今や有名な古刹は、お賽銭どころか、入場料まで取っている。

沈岳が帰国したばかりの頃、ある山のあるお寺を訪れたことがあった。

そのお寺の参拝費用は入場料に含まれていたはずだが、入口に置かれた賽銭箱を無視して出ようとした沈岳を見た「兼業坊主」は、すぐに大げさな口調で、彼の印堂が黒ずんでいて近々災難があるかもしれない、大神様に祓ってもらったほうがいいと言ってきた。

お寺の大神様は、誰にでも簡単に災いを祓ってくれるわけではない。

お金が要る。

しかも値引きなどしない。

領...