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1141話

夜が明けた。

沈岳が目を開いたとき、幸せに包まれているような感覚があった。

くそっ、この雅晴という馬鹿娘め。怪我もろくに治っていないくせに、家に沈夫婦がいることも気にせず、夜中にこっそり香君女神の寝室に忍び込んで、沈岳と恥ずかしげもなくあんなことをするとは。

宋母が実の息子のために心を込めて準備した寝室は、雅晴に占領されてしまった。

とはいえ、沈家の別荘には部屋がたくさんあり、どの部屋も内装が素晴らしいので、沈岳がどの部屋に泊まっても構わないのだが。

しかし昨夜、彼が父親と一緒に帰宅すると、待っていた母親は「わたしゃ今日一日中掃除して疲れ果てたから、お前の部屋の準備ができてないの。今...