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1122話

背中に棘が刺さるような感覚。

この言葉が、沈岳の今の気持ちを最もよく表していた。

彼の蘇南へ急ぎたい気持ちは、弓を放たれた矢よりも切迫していた。

もし老沈に父子の情を味わってもらうためでなければ、沈社長がここに座って素晴らしい芸術公演を観るなどという気持ちにはなれなかっただろう。

公演を見るというなら、沈社長は「卿本佳人」での鑑賞の方が好みだ。

卿本佳人の小さな舞台では、セクシーで妖艶な衣装を身にまとった女の子たちが、ポールを抱えてハイヒールを上げ、舌を出し、惜しげもなくウインクを投げかける。品のない公演ではあるが、沈社長の最も好むものだった。

象牙の塔内での芸術公演と...