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1096話

誰にでもプライバシーの権利がある。

法律的に見れば、愛し合う夫婦であっても、相手の電話を監視する権利はない。

ましてや宋銀翹は沈社長の実母に過ぎず、電話をかけてきたのは彼の妻なのに。

それなのに彼女は先に携帯を取り、画面に「妻」という文字を見るなり、期待に満ちた表情で沈岳が電話に出るのを待っている。彼にどうしろというのか?

彼女はこの二文字を見て、きっとこれは蘇南音からの電話だと思い込んでいるのだろう。

そもそも、宋銀翹は蘇南音と相性が悪く、彼女を洪水や猛獣のように恐れている……

人の妻である彼女は、華英明と穏やかに暮らせばいいものを。

なぜ婚外恋愛なんかして、愛する息子と娘の素...