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1069話

沈老三は怒りに任せて、テーブルをひっくり返そうとした。

だが、動かなかった。

この数年間、沈老三の公子然とした気質は宋の実母によって骨抜きにされ、文化人の道を歩むうちに、すっかり力も衰えていたのだ。

しかも今夜の誕生宴の正餐で使われているテーブルは、紫檀ではないにしても……相当重い紅木に違いない。

さらに天板と脚が一体になった造りで、その上に酒や料理が並べられている。四肢を鍛えていない沈老三がひっくり返せるはずがなかった。

ひっくり返せなかっただけでなく、力を入れすぎて椅子にどさりと座り込んでしまった。

一、二秒呆然とした後、沈光明は突然胸を叩き、涙を流しながら叫んだ。...