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1065話

咎なき者は鬼の叫びも恐れず。

動車のトイレで秦凝心に西楚覇王の現代版を演じていなければ、沈岳が彼女を見る目は、今のようにこそこそと逃げるようなものではなかっただろう。

仕方ない。

沈社長は今や美女に囲まれているが、常に「相互の合意」という信条を貫き、時には自らが身を捧げる形で、相手の純潔を奪ってきたのだ。

ただ秦凝心だけは違う……

秦副班のトイレでの約束の真意を勘違いし、沈岳は動車のガタンゴトンという音に紛れて、彼女の長い脚を担ぎ上げ、彼女をガタンゴトンと呆然とさせてしまったのだ。

もしあの時、秦副班が警察に通報し、この男を強姦罪で訴えていたら、沈岳は少しも抵抗せず、大人しく法律の...